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スタイナー教授は、「写真から、サンチ衝突直後に大量のコンデンセートが流出し始めていたのが分かる」と語った。スタイナー教授は中国国家海洋局へのメールで、
「現場で1ノットの海流が8日間続いたとすれば、事故の汚染水は水面下を下流に200マイル(約322キロ)も流れていたと考えられる」と述べている。
米紙ニューヨーク・タイムズは、中国当局が2月1日、沈没地点から4、5海里内で採取した魚の検体に石油炭化水素が含まれていたことを発表し、コンデンセートの魚への混入が示唆されたと報じた。
英ブライトン大学の海洋生物学者コリーナ・チオカン博士は、「どんな流出事故でも燃料油は海岸に損害を与えるが、ウォーターカラム(水面から水底までの垂直部分の水)はなかなか動かないため、灯油やガソリンなどの軽い油の方が海洋生物に与える影響は大きい」と話す。
「生物の種類としては、軟体動物、ろ過摂食動物、固着生物などが特に油流出で影響を受ける。いけすに入れられた魚やサンゴ礁の魚も同様だ。こういった生物は行動範囲が狭く、その中にある石油炭化水素を大量に吸収してしまう」

国連食糧農業機関(FAO)は、流出事故の影響を受けた地域の海産物がすでに消費者市場に出回っているかどうかについて、コメントを控えた。