裁判所は,告発が企業秩序を侵害する可能性があることを前提に,
(1)企業が社会的に不相当な行為をひそかに行っていること,
(2)従業員が内部で努力しても状態が改善されていないこと,
(3)その内容が真実であるか相当な理由に基づくものであること,という要件をみたせば例外的に正当な行為として保護されることになる,としています。
告発先としては,企業内での通報,監督官庁,2chやマスコミ・一般住民などの第三者,が想定されますが,選択する告発先によっては企業業績への深刻な打撃となり,全労働者にとっても重大な不利益を招くことがあり得ます。
公益通報者保護法の保護を受ける通報対象事実は、
犯罪行為等に限定されており、また、とくにマスコミ等への外部通報の場合は厳格な保護要件が定められているなど、同法の保護の範囲は極めて限定的であり、同法によってかえって告発行為が抑制される危険性が指摘されています。
しかし、、同法の制定によって、従来の判例で認められてきた保護水準が低下することはありませんので、委縮する必要はありません。