ドル円レートは本当に物価を動かしているか?を検証してみました。

ドル円レートが物価を動かしているという話が本当なら、円高は物価の下落を招き、逆に円安は物価の上昇を招くはずです。

それなら、1981年から2023年までの42年間に、前年よりドル円が円高になったにもかかわらず、なぜか消費者物価指数が前年より上がった年がいくつあるか、あるいはその逆の年を見てみると、ドル円レートが物価に影響するという論拠の確かさを確認できるはずです。

それで、ドル円が前年より円高になったにもかかわらず消費者物価指数が前年より上がった年は、1981年、1984年、1987年、1988年、1989年、1991年、1992年、1993年、1994年、2008年、2018年、2019年と、全部で42年中の12年です。

逆に、前年よりドル円レートが円安になったにもかかわらず消費者物価指数が下がった年はというと、2001年、2002年、2005年、2021年と、全部で4年でした。

先の、前年より円高にもかかわらず消費者物価指数が上がった年と加えると、全部で16/42年が、例のドル円レート物価論とは逆に動いており、これは、それぞれのドル円レート前年比と、消費者物価指数前年比に対して、プラスとマイナスの記号をランダムに振っていったのとそんなには変わらない結果が得られたことになります。

これをとても有意であるとは言えないでしょう。

したがって、ドル円レート物価論は非常に疑わしい話だということになります。

やっぱり物価は、より内在的な貨幣現象ではないのでしょうか?