以上は短期国債に限った話ですが、長期国債にしても、当然のことながら現在の長期国債は将来の短期国債なのですから、現在の長期国債金利は将来の短期国債金利の予想に依存して決定してくることになります。
実際、アメリカにおけるQEにおいて、オペーレーション・ツイスト、即ち短期国債売却と長期国債購入の組み合わせを行なっていたにも関わらず、長期金利がむしろ上昇していくという現象が生じたことがありました。(参考:澤田吉孝氏著『米国における非伝統的金融政策の有効性』) 
既に説明した金融調節メカニズムが頭に入っていれば、この現象も全く不思議ではありません。
長期国債金利は、単に将来の政策金利の予想に依存してくるため、例えば将来に景況が上向き、それに対して中央銀行が将来的に利上げするだろうと予想されれば、オペーレーション・ツイストが施行されていても長期金利は上がります。
同様にして、国債残高がどれだけの水準であろうが、将来の国債金利は、将来の政策金利で決定してくるため、暴落を予想すること自体が極めてナンセンスとなります。
予想すべきは、将来の中央銀行の政策スタンスです。
https://note.com/motidukinoyoru/n/n504ea7f59582#utduv