失業率が低いと経済指標が良くなることを
理路整然と説明できる人いるの?

逆ですよ。景気が上向いて経済指標が良くなると失業率が下がるんです。
たしかに、失業率には各国に固有の値があり、国際比較は単純には出来ないんですが、時系列データで見れば過去との比較はできますしその比較は概ね正しいのです。

失業率が4.5%が2.5%になれば、とうぜん景気は上向いていると言えるわけです。

マルクス的な階級闘争史観から見れば、豊かさは「他人より豊か」であることなんですが、資本主義経済のこれまでの歩みを見れば、それ以上に「過去より豊か」であることを実現してきたわけでしょう。

それと同様に、経済指標は他国との比較ではなく、過去との比較で見ていく必要があるんですよ。したがって、ドル建てのGDPをいくら論ってもそんなものは意味がないんです。
じっさい、ドル建てGDPの成分の90%以上はドル円の為替価格であり、つまりドル建てGDPは、ドル円価格をトレースしているだけのことなんです

また、たとえば、昨今は何かと実質賃金を持ち出した政府批判が横行していますけど、実質賃金は名目賃金を安定的、持続的に上げ続けることで、もののついでのように、いつしか上がり始めるものなのです。

したがって、我々が注目しなければいけないのは実質賃金じゃなく名目賃金のほうなんですよ。

どうも、政府批判をしたがるあまりに、歪んだ経済の見方が横行しているというのは、私などから見ると「いかがなものか?」と思えますね。