>>625
https://twitter.com/wankonyankorick/status/1452915670098710533
(前半略)税金とインフレについての考え方には二つの議論展開があります。

第一に、財政スペースの問題です。これは国内の経済的資源の量を所与としたとき、民間支出、純輸出によって利用されなかった
経済的資源の量が、政府の財政支出の上限を定める、という考え方です。

 この場合、もし政府支出と民間支出と純輸出の合計が、この国内の経済的資源による供給量を上回ってしまうと、政府はそれ以上、
貨幣支出をしても民間の支出と競合し、物価が上昇する一方になってしまいます。
 この場合、府が租税を課すことで民間の可処分所得が少なくなっていれば、政府にはそれだけ多くの財政支出の余地が与えられる
ことになります。ですからこの意味で、租税がインフレの抑制になる、という面がないというわけではないんです。
 だから租税制度がインフレと全く関係ないか、というと、そこまでは言っていない。

 ただし、その含意を誤解しないでほしいんですが、これはいざ目先の物価が上昇しているときに、増税をすればインフレが収まるだろう、
という意味ではないんです。
 というのは、すでに説明したのかどうか忘れましたが、インフレ期待が大きいとき、下手に増税をすればかえって物価上昇率を高めて
しまう可能性もあるからです。

 有名なものに70年代イタリアの「賃金爆発」と呼ばれたケースがあります。イタリアでは労働組合の力が強く、賃上げ圧力も大きかった
のですが、累進税制が厳しかった。そのため、貨幣賃金が上昇すると一方では税率が上がってしまい、名目の賃金上昇率より可処分所得の
上昇率ははるかに小さくなってしまった。
 他方で企業が負担する賃率は大きく上昇していますから、製品単価の引き上げもそれだけ大きくなる。
 その結果、実質賃金は低下してしまう。そうすると労組はさらなる賃上げを求めてさらに圧力を強める。するとまたもや可処分所得の
増加幅よりはるかに多きな物価上昇が引き起こされる。
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