麻生太郎財務相は23日、自身の平成最後となる閣議後記者会見を行い、平成経済を総括した。麻生氏は「当初は誰も経験したことのないデフレーションによる不況に遭遇し、日銀も政府も対応を間違えた」と分析。その上で、
24年末に発足した第2次安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」によって、「企業は史上空前の利益を出し、GDP(国内総生産)も史上最高、税収も史上最高を更新し、新たな時代に合った形になった」と述べた。
 日銀が異次元の金融緩和で大量の国債を保有し、緩和を手じまいする出口戦略が見通せなくなっている現状については「英国などもこうした状況にかつてなったが、きちんと対応してきた。日本も同様に時間をかけてやっていくということだ」と述べた。
 一方、米国で話題となっている、財政赤字を容認する現代貨幣理論(MMT)については、「行き着く先を誰も言わない。そんな実験場に日本をするつもりはない」と否定的な見解を述べた。