【だがあの九尾に頼った強さは君の本当の力じゃない】
ヤマト隊長の台詞。「これからもこの九尾の力に頼れば自分自身を苦しめることにもなるし、仲間を傷付けてしまう力にもなりえる」と続く。
しかしこの後設定がスライドし、九尾に頼った力はナルトの力となり、九尾の力に頼ることで自分自身を助け仲間をも守ることとなった。
キラービーによる「九尾から力を引き出そうぜ修行」に同伴したヤマト隊長は、過去の自分の台詞についてどう思ったのだろうか。

【サクラ…君を見ていたら分かる。君はホントは…】
天地橋で暴走してダメージを負ったナルトを回復してやりながら、「私がナルトにしてあげれるのはほんの小さなことだけ」と言うサクラを、
「大切なのはナルトを想う気持ちの大きさでしょうよ」と慰めたあとにヤマト隊長が言ったこと。ナルトが目を覚ましたので後半は途切れた
ままとなったが、普通に考えると「君はホントはナルトのことが好きなんだろ」的なことを言わんとしたであろうことは明白。この時点では
騎士本先生が、「ナルトはサクラとくっつけようかな〜」と微妙に考えていたことがうかがえる。

しかし結局、サクラがナルトを恋愛的に好きになることはなく、サスケを想い続けた末に結婚し、ナルトはヒナタと結婚した。
サクラの嘘告白では「サクラとの約束がナルトの重荷になってる!」というサイの推測がナルトに「勘違い乙」と切って捨てられているが、
実はその陰で「君はホントは…」というヤマト隊長の推測も長い時を経てサクラに「勘違い乙」と切って捨てられていたのだ。
禁術・設定スライド……その恐ろしい力の被害者はここにもいた。

【シズネ】
綱手のかつての恋人・加藤ダンの姪である、というのはものすごくどうでもいい設定で、読者も忘れているし、綱手も忘れているし、
叔父上・加藤ダンも忘れているし、本人も忘れているし、もちろん作者も忘れている。
なので綱手の過去回想などに加藤ダンの姪として若いシズネが出てくることはなく、無限月読で加藤ダンが火影になった世界にも
シズネの姿はないし、エドテンされた加藤ダンも綱手のことは気にするが姪のシズネのことは触れもしない。

ついでにいうと、加藤ダンがシズネの「叔父」ということは、彼に死んだ妹以外に兄か姉がいたことを示しているが、その話も出ない。
悲しい設定だ……