※長文注意・時間に余裕のある方だけよろしければ

作者のインタビュー知ったのはごく最近だが読んだ感想とそんなに隔たりはなかったな
ちゃんと過不足なくあの最期に至る経緯が描かれてたと思った
リヴァイに本心ぶち撒けたのは絶体絶命の状況と同時に心情的に限界が来ていたせいと思ったし
出陣前に市民たちが見送りと激励に来ていてこんなの調査兵団始まって以来と驚きながら
その後人々の声援に応えるようにエルヴィンが雄たけび上げてたのが結構大きなヒントに見えた
本当は私情でここまで来たけど本人の動機がどうあれ大勢の人間の運命を握り期待も寄せられている
その気持ちに応えたいし心臓を捧げた亡き仲間にも報いたい団長としての大人の自分
そんなものどうでもいいから地下室へ行って答え合わせがしたい子供の自分
そのせめぎあいで苦しんで信頼する戦友に回答を委ねたように見えた
そしてその気持ちを察してのリヴァイの返事と吹っ切れた結果の団長の笑顔と感謝の言葉だと思った

注射に関しては純粋にエルヴィンの力量を惜しむ気持ち以外にアッカーマンとしての主の重要性や
友人への想いもあって延命を望む気100%のリヴァイが最終的に諦めたのは上記の記憶
せっかく迷いを捨てて覚悟決めたものを引き戻してまた悪魔にしていいのか
今となっては夢であり呪縛でもあった執着も薄れて凪いだ心持ちに戻った
この状態で前のように脇目も振らず冷徹非情を貫けるか怪しいし
出来てもより一層死者の幻影に苦しめられることになるのではないか
それで前途に希望のみを抱くアルミンに譲った
そういう意味じゃエルヴィンの死は精神的安楽死であったのかもしれない