フェラーリやポルシェと何か違う、アルピーヌのオーナーイベントで気付いたクルマ本来の楽しみかた
公開日 2023/05/21 10:33
https://clicccar.com/2023/05/21/1284922/

■答は「超お金持ちの臭いがしない」でした

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広い芝生の広場にオーナーたちのアルピーヌがゆるく悠々と置かれています

このところクルマを巡る環境で明るい話題がなく、何となく気持ちがクサクサしている
タイミングでアルピーヌのWRCチャンピオン獲得50周年記念イベントに来た。
会場を見ているとフェラーリやポルシェなどのイベントと何か違う。
皆さんとっても和やかで、クルマを見てニコニコしながら話をしている。
オーナーと観客の境が無く、日本人の私にも声を掛けてきます。しばらく理由解らず。

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ドアを開けていると次々にコクピットを覗き込みに来るが、みな紳士的

半日くらい居て「なるほど!」と疑問の理由分かりました。
この手のヒストリックカーイベント、基本的にお金持ちが自分のクルマを自慢する傾向。
日本のイベントだって5千万円級のクルマなど普通。フェラーリやポルシェともなれば
億以上のクルマが並ぶ。翻ってアルピーヌのイベントを見ていると、広い会場を
アルピーヌが埋め尽くす規模なのに、超お金持ちの臭いがしない。

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日本ではなかなか御婦人がスポーツカーの写真を撮ることも少ない

日本のオフ会もクルマが集まれば、最後はいかに稀少なクルマであり、価値あるかという
値踏み会になる。考えてみたらアルピーヌってヒストリカルな名車の割にそれほど高価
じゃありません。もちろんWRCで上位に入った車両は稀少だ。でも「だから凄いだろ」
ということにならないのだった。皆さん自分のクルマを大切にしていて、見に来る人も
全てのアルピーヌを慈しんでいる。

深く考えてみると、かつてフランスは革命を起こし貴族を絶滅させた。その時点で
飛び抜けたお金持ちを見て「カッコ良い」と思わない文化が育ったのだろう。
初代アルピーヌA110も2代目A310のエンジンも普通の4気筒だったし、A610からは
ボルボなどと共同開発した実用エンジンのPRVを搭載している。
凝った高価なエンジンではなく、メインテナンスだってお金掛からない。

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見せびらかすより、お悩み相談のパターンが多いのでは?

実際、イベント会場に行ったら、たくさんのショップが店を開いていて足回りから
エンジンまで全てのパーツが買えると思えるほど。単価だって手頃。
イベントに集まった人の大半が、自分のクルマを気軽に扱っており、コストを掛けずに
楽しんでいるのだった。気むずかしい空気出すお金持ちは見かけない
(いると思うけれどそういった雰囲気はオモテに出してないです)。

 続く