道路交通法の目的を改めて考えてみたい。横断歩道の近所に人が居たら止まれ、とは違うと思う
2022年5月7日 [最新情報] https://kunisawa.net/?p=56721

ここにきて日本国憲法の基本理念となっている「前文」を再確認しようという動きが出て
きている。ややもすると自国だけ良ければバンザイになりがちな我が国ながら、前文には
国際協調しなければならないと書いてあります。同じように道路交通法も基本理念を考え
た方がいいと思う。ここにきて違反件数が減ったため警察は拡大解釈して取り締まりを
増やしているように感じる。
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ということで憲法の前文にあたる「目的」と書かれた第一章を全文そのまま引用して
みたい。まっこと興味深いです。「この法律は、道路における危険を防止し、その他交通
の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする」
と書いてある。困ったことに日本語的にはダメダメだ(笑)。「その他」が何を示すのか
不明。最後の文も意味不明だ。

私の弟子がこんな文章書いてきたら、即刻「ワカラね~よ!」と書き直しを命じる。と
はいえ最初のパートは安全を。次で円滑な流れを。最後で「とにかく交通のジャマに
ならんようにね」ということなんだと思う。個人的には移動時の基本原則だと理解して
いる。道路は道路として機能させ、そこを安全でスムースにクルマや自転車、歩行者など
が移動していくという姿だ。

ここにきて大きな論争になっている横断歩道を道交法の「第一章」で考えてみたい。
クルマ嫌いの皆さんは歩行者が最優先されると主張しているが第一章を見る限り道路の上
では皆平等である。その前提で第38条に「横断歩道を渡っていたり、渡ろうとしている人
は妨害するな」と書いてあります。そもそも横断歩道に限らず歩いている場所に突っ込ん
で行くのは第一章の概念と全く違う。

「渡ろうとしている人」は、渡っている人に限りなく近い。したがって優先権がある
という解釈になるだろう。だったら横断歩道に差し掛かってない人はどうか? ここで
解釈に大きな違いが出てくるのだった。第一章では「危険」を防止すべきと書いてある。
横断報道を渡ろうとしているのか待とうとしているのか解らないときは、危険の対象じゃ
ない。「譲る」か「譲らない」かの判断だ。

ただし横断歩道に近づいたら止まれる速度まで落とせ、とも書いてある。総合的に解釈
すると1)明らかに横断歩道に人が居なければ通過。2)横断歩道の近所に人が居たら横断
歩道で止まれる速度で接近(速度の基準は無)。3)人が渡っていたり渡ろうとしている
ことが明確なら停止。4)態度不明であり危険性無ければ通過。というあたりになると思う。
https://www.youtube.com/watch?v=LQeG5gkScb4

 続く