スズキ、モトGPから撤退を決める。俊宏社長の経営感覚、ここまで厳しいとは予想もしておらず
2022年5月3日 [最新情報] https://kunisawa.net/?p=56647

モトGPはスズキというメーカーにとっての唯一の世界最高峰レースである。私らの世代だ
とバリー・シーン。バリバリ伝説世代の皆さんなら、フランコ・ウンチーニやケビン・
シュワンツなどが駆るスズキの表彰台を何度も見たことがあると思う。横内さんという
昨年亡くなられた天才肌の名物技術者(RG250ΓやGSX1100Sカタナなども作った)が深く
携わり素晴らしい結果を残した。
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リーマンショックの2011年に1度ワークス活動を休止するも2015年に復帰。2020年には
ワールドチャンピオンを獲得している。ちなみに初参戦は1974年で翌年2勝。1976年に
ワールドチャンピオン! スズキ、2輪GPの戦歴を見ると「この会社、凄いね!」。御存
知の通りケチな会社だからして予算の掛け方私もホンダやヤマハと比べたら少ない。
スズキにとってのモトGPはプライスレスです。

ということも鈴木俊宏さんは全く考えない。モトGPが素晴らしいチャレンジでありスズキ
にとって唯一のプライドだということも認識出来ないんだと思う。驚くべきことに今年で
参戦取りやめをするという。自分で判断したのかもしれないし、自動車産業の本質を理解
出来ないコンサルのアドバイスかもしれない。もはやスズキには何も無くなった
。「リーズナブルな運送手段」を作る企業だ。

こう書くと「ズズキの軽自動車を買ってる人はモトGPに参戦していることすら知らない
ぢゃね?」と思うだろう。コンサルも同じことを指摘するだろう。確かに直接関係する
ようなデータを出すことは難しい。極端なことを言えばモトGP参戦を持ってスズキ
に対するリスペクトをしていたのは私だけしれません。それでもいい。スズキは大切な魂
を失った。

とはいえ業績に影響出てくるのは先だと思う。ほとんど話題にならない可能性の方が
大きい。スズキというメーカー、ブランドイメージで勝負している商品は皆無。全て
コストパフォーマンスをストロングポイントにしている。高い商品群だって無し。この
あたりはモータースポーツでブランドイメージ作り高額商品を売らなくちゃならない
マツダとはバックボーンが違う。

だからこそプライドが必要だったんじゃなかろうか。