>>638 続き

 こう書くと電気自動車なんだから当たり前でしょ、と思うだろうけれど、圧倒的な
スムーズさを出すのは駆動系の工作精度やモーターの巻き線技術、そして制御のノウハウ
を必要とする。登り坂でジワジワ走り出す時の微振動や、アクセル全閉から全開にした時
のレスポンスが素晴らしい! まぁ違いのわかる人だけ驚くことですけど。インテリアも
おカネがかかっており素敵!

 最後に、アイオニック5は実車を見て/乗って「こりゃ凄い!」。クルマにウルサい
欧州COTYの選考委員たちもそう思ったのだろう。アイオニック5が3位。兄弟車の起亜EV6
が大賞を獲得した。電気自動車専用プラットフォームということもあり、足元はフラット
で広々としており、開放感タップリ! ステアリングギアボックスからタイヤ選びまでお
金をかけているのも欧州で評価された。

 そして電気自動車としての華やかさを持つ。普通に走っていれば制御系はARIYAに肉薄
するほど上質。乗り心地のよさを含めれば総合評価でARIYAを凌ぐ。それでいてAWDモデル
は絶対的な動力性能で「凄いね!」。クルマ通でも驚く元気さを持ち、さらに後輪駆動
ベースだからハンドリングはスポーティ。日本だとバイアスがかかる韓国車だということ
を忘れたら圧倒的な魅力度を持つ。

■2023年に現在の3倍の台数が普及するのは厳しい様相だが……

 長い前置きになった。ここから本題となる『日本でも電気自動車は普及するか』
について考察してみたい。すでに納車が始まっているARIYAの場合、初期受注分の
バックオーダー分は(B6リミテッド)すべてユーザーの手元に届いたと聞く。正しい情報
を伝えると、新型コロナ禍や半導体不足で生産が遅れており、輸出モデルを含めフル生産
ながら作り切れていない状況。

 bZ4Xとソルテラも同じ。この2車種、そもそも2022年の生産&販売計画台数が少ない
ため、発売と同時に年内分は売れてしまったようだ。トヨタもスバルも両車合わせて5000
台程度と言われる台数分くらいの「電気自動車を待っていた顧客」がいたということです。しか
もARIYA同様、新型コロナ禍と半導体不足でフル生産体制になっていない。作りきれてい
ないです。

 アイオニック5はどうか? 世界規模で見ると圧倒的な生産台数不足! なんせ欧州を
見るとバカ売れに近い。日本に先駆けて発売したアメリカもヒョンデ自身が驚いている
ほどの受注という。日本を除けば韓国車に対するバイアスなし。純粋にクルマだけ見たら、
日本勢より圧倒的に上質で高い性能を持つ。私も日本人じゃなければこの3車種で考え
たら1秒も迷わないです。

 続く