日本でEVが中国なみに普及する時代は果たして来るのか?  来るとしたらそのために必要なのは?
2022年4月30日 / コラム
https://bestcarweb.jp/feature/column/415859
https://news.yahoo.co.jp/articles/6e743173230274b1ecd824c5595b2bd0d790b8e3/comments

 トヨタbZ4XがサブスクのKINTOで5月12日から展開されることが発表され、参考価格がFF
で600万円、4WDで650万円になった。また、兄弟車のスバルソルテラは594万~682万円。す
でに日産ARIYAは標準539万~、B9 e-4ORCE limited790万200円~でWeb受付中で、
ヒョンデアイオニック5は479万~589万円だ。

 今年2月のヒョンデアイオニック5試乗を皮切りに、bZ4Xとソルテラ、そして日産ARIYA
と、主要日韓EVのSUVモデル4台すべてを試乗した国沢光宏氏。そこで、EVが現時点で日本
に比べて普及している中国並みに日本でEVが普及する日は来るのか、またそのために必要
なことについて国沢氏がレポートする。

文/国沢光宏

■10年後のメインとなるであろうEVを見据え、直近では売れるのか?

『bZ4X/ソルテラ』、『ARIYA』、『アイオニック5』と、次世代を担う電気自動車がたく
さんデビューしてきた。興味深いことにニッチなマーケットじゃなく、エンジン車からの
代替を想定した「売れ筋ど真んなか」を狙っていること。だからこそアイオニック5は
WCOTY(ワールドカーオブザイヤー)を受賞し、高く評価されたワケです。当然ながら我
が国も10年先には電気自動車がメインとなる。果たして売れるだろうか?

 まず、3モデルを紹介してみたい。bZ4Xは(以下ソルテラを含む)、2030年に250万台の
電気自動車を販売するという目標を立てたトヨタの先鋒として登場した。
プラットフォームはTNGA GA-Kをベースにした電気自動車版。大雑把に言えばハリアーの
兄弟になる。したがってボンネットを開けるとガソリン車とソックリ。インテリアも
センターコンソールのあるエンジン車風。

 走りはよく言えば「エンジン車から乗り替えても違和感なし」。電気自動車だと
ワクワクしながらハンドル握ると、少しばかり「華やかさ」に欠ける。トヨタ/スバル
開発チームに聞くと、「普通に乗れるクルマが開発目標です」。豊田章男社長体勢になる
前の80点主義だったトヨタ車を思い出した。とはいえボディ剛性高く、前後の重量
バランスいいためキッチリ曲がるいいクルマです。

 続いてワールドプレミアから2年半もかかって登場したARIYAながら、いまだに大容量電
池モデルやAWDモデルは上市されず、秋まで標準電池のFFのみの販売になる。したがって
絶対的な動力性能や、航続距離での「凄いですね!」についちゃなし。しかし、少し
ガッカリしながらハンドルを握ると「タイしたもんだ!」という評価に切り替わります。
驚くほど静か&滑らかなのだ。

 続く