1億総介護時代のクルマ選び! 待ったなしの超高齢化社会を生き抜く「親のために福祉車両を買うという選択」
2022年4月29日 / コラム
https://bestcarweb.jp/feature/column/414321
https://news.yahoo.co.jp/articles/a593684d8d92e45769c3a4eb81e537180e218d09/comments

 超高齢化社会が進む我が国、ニッポン。内閣府の「令和3年版高齢社会白書」によれば、
2020年10月現在の日本の人口は1億2571万人で、このうち65歳以上の人口は3619万人に
なり、高齢化率は28.8%にまで達しているのだという。

 厚生労働省によると、この先2025年には65歳以上の高齢化率は30.3%、2055年には39.4
%にまで上昇する見込みだとか。国の介護保険制度が2000年4月からスタートして20年
以上が経過したワケだが、福祉車両のニーズはますます高まっていくことは想像に難く
ない。

 年老いた親の介護は誰しも避けることのできない切実な問題。そこで、実際に家族の
ためにトヨタのノア(ウェルキャブ)を購入した自動車評論家、国沢光宏氏に福祉車両の
買い方と選び方をレポートしてもらった。

文/国沢光宏

電動乗降システム付きの希望者が多い理由

 あまり知られていないことながら福祉車両は消費税が非課税となる。実質的に10%引き
ということ。新型ノアのハイブリッドS-Gは339万円。ウェルキャブ仕様だと税抜きのため
342万2000円で、3万2000円しか高くない。

 さらにオプションも非課税。新型ノアに安全装備など欲しいオプションを加えていくと
50万円近くなる。総支払い額だと福祉車両のほうが安くなってしまう。以下詳しく。

 先日、新型ノアのウェルキャブ仕様をオーダーした。理由は簡単。「そろそろ人の手を
借りないとクルマに乗り降りできなくなるかもしれませんね」という家族のためでござい
ます。

 不思議なもので、多少足腰が弱っても自分でシートに座ることができるうちは、人の
手助けを好まないし、ましてウェルキャブ仕様に代表される電動乗降システムなど使い
たくないと思うようだ。

 けれど、自分で乗り降りできなくなった時、ほかの人に助けてもらうか、それと電動
乗降システムを使うかとなったらどうか? 調べてみたら、皆さん人の手助けより電動
乗降システムを希望するという。

 これも理解できる。人の手を煩わすより、機械のほうがいい。ということで、家族が
どちらの介助を希望しても対応できるよう、電動乗降システム付きの福祉車両を選ぶこと
にした次第。

■福祉車両には3タイプが用意されている

 ちなみに『ウェルキャブ』はトヨタの福祉車両のネーミング。日産なら『
ライフケアヴィークル』。ホンダだと直球で『福祉車両』となる。

 大雑把に分けて次の3つのタイプがあります。1)リアハッチを開けてクルマ椅子ごと
乗るタイプ、2)助手席の電動乗降システム付き、3)リアシートの電動乗降システム付き。
そのほか、かぎられた車種ながら、1)と3)を組み合わせられる車両も選択可能。

 続く