なぜトヨタ新型「GRカローラ」は電動化時代に登場? 環境規制厳しくなるも「純ガソリンのスポーツカー」を実現できる訳
2022.04.21 国沢光宏
https://kuruma-news.jp/post/499256
https://news.yahoo.co.jp/articles/75b827553986f4a0116fbf4d2a2a05e7818c1c01/comments

純ガソリン車のスポーツモデルが減少するなかトヨタは…

 改めていうまでもなく、自動車業界の世界の流れは電動化です。そんななか、トヨタが
「GRヤリス」に続き「GRカローラ」という武闘派の4WDターボを発表しました。

 一方で4WDターボのスポーツモデルを得意としてきたスバルは、次期型「WRX STI」の
リリースを断念した模様。

 欧州勢も純エンジン車のスポーツモデルを作り続けるのが難しくなっているというのに、
なぜトヨタだけ違う方向を向いているのでしょうか。

 これはふたつの側面から考えるべきだと思います。

 ひとつめは燃費規制です。

 いまや欧州や日本でCAFE(企業平均燃費)が取り入れられており、販売している車種
すべてを合わせた平均燃費で大ざっぱにいえば20km/L以上という数値にしなければなら
ない。

 CAFEを守れなければ欧州だと巨額の罰則金を取られ、日本は強力な行政指導により国土
交通省が型式認可を出してくれません。日欧ともにCAFEを守らないとクルマを売れない
というワケです。

 当然ながら燃費の悪い純エンジン車のスポーツモデルなど出したら平均燃費の足を思い
切り引っ張ってしまい、結果、世界規模で純エンジン車が激減しているのだった。

 参考までにいうと、ポルシェやフェラーリ、ロールスロイス、ベントレーといった高額
車はCAFEなど守れていないが、高額の罰則金を皆さん平気で払います。

 日本勢や欧州勢もフォルクスワーゲンやルノー、ステランティスに代表される量産
メーカーは厳格にCAFEを守ろうとしており、高性能車など出せない状況になっている。

 ここまで読んで「トヨタはグリーンピースから主要自動車メーカーの脱炭素化の
取り組みのランキングで最低評価を貰ったほど燃費悪いのでは」と思うかもしれません。

(このニュースは世界中に広まりましたが、そもそも環境保護団体のグリーンピースの
プロパガンダなど大手メディアは報じちゃいけないと思う)

 グリーンピースの誹謗中傷と対照的に、トヨタのCAFEは圧倒的に優秀です。世界中の
自動車メーカーが厳しいといっている2020欧州CAFEを余裕でクリアしているほど。

 これはハイブリッド車の燃費が猛烈に良いからで、グリーンピースの主張と異なり世界
でもっとも脱炭素化に貢献しています。

 あまりに平均燃費が良いから、GRヤリスのような純エンジン車で燃費に不利な4WDの
スポーツモデルを出せる余力を持っているのです。

 もちろん欧州だけでなく、日本のCAFEや近々厳しくなるだろうアメリカのCAFEもクリア
出来る見込みがあるため新型GRカローラまで追加できてしまうというわけです。

 ちなみに日産新型「フェアレディZ」やホンダ新型「シビック タイプR」も、世界規模
で見たら超希少です。

 続く