トヨタの最高級車レクサスの暴走による死亡事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)などで起訴された
元東京地検特捜部長の石川達紘弁護士(80)に対する初公判が2月17〜日午後、東京地裁で開かれた。

 車載の事故記録装置などをもとに「運転操作を誤った」とする検察側に対し、石川側は「車に不具合があり勝手に
暴走した。(石川の)過失はなかった」と無罪を主張。

 2018年2月18日、検察時代の部下だった弁護士ら4人と千葉県でゴルフをする予定だった石川は、午前7時10分すぎ、メンバーの女性を拾うため、東京都渋谷区内の道路に
運転していたレクサスLS500hを停車した。鎌倉の自宅を出るときからブレーキホールド機能を作動させており、
車は自動的にブレーキがかかった。(通常ブレーキホールド機能作動中は、シートベルトをはずすと、アクセルを
踏んでも前進しない)

 まもなく女性が現れたため、石川は車の後部トランクへの荷物の搬入を手助けしようと、トランクを開け、シートベルトを外してドアを開けて右足から外に出ようとした
ところ、車が動き出した。車はどんどん加速。最終的に100キロを超えた。石川は右足をドアに挟まれた状態で、
ハンドルにしがみつき、暴走を止めるため、左手をハンドルから離し、パーキングレバーを操作しようとしたが、
うまくいかず、反対車線の右側歩道を超えたところで意識がなくなったという。

 車は、反対側の歩道にいた男性1人をはねて死亡させ、商店に突っ込んで止まった。車の暴走距離は約320メートルに及んだ。
 車は大破し、石川は右足甲を骨折し救急車で港区内
の病院に搬送された。けがの形状は右足がドアに挟まれていたことを示した。警視庁が事故車を検証した結果、ブレーキコイルが焼け、部品がすり減っていた。ブレーキが
かかった状態で突っ走ったことをうかがわせた。

2020/02/18 文春オンライン

https://bunshun.jp/articles/-/35112