>>637 続き

ライバル車と比べて乗り心地はいかに?

 では、乗り心地はどうでしょうか。

 CX-30のライバルとなるトヨタ「C-HR」を見ると、アルミのアームを多用した
ダブルウィシュボーンを採用するなど、同じクラスのライバル達は、けっこう
リアサスペンションにお金を掛けています。

 CX-30に乗ると、C-HRやCX-5といったお金掛かったリアサスペンションを使うSUVの
「乗り心地の上質感」に届いておらず、絶対的なハンドリングは素直で好感が持てますが、
格別優れているレベルじゃありませんでした。

 ちなみに、ホンダ「ヴェゼル」に代表されるコンパクトSUVのカテゴリは、CX-30と同じ
コスト優先のトーションビームを採用しており、乗り心地の質感で厳しいです。

 走りの性能や質感に関していえば、CX-30は平均的な日本車レベルだと考えて良く、
トヨタ「カローラ」や「RAV4」のような「いいね!」が無いです。

 ということで、ライバルのC-HR(約236万円から約309万円)やヴェゼル(約211万円
から約295万円)、すこし上のクラスのRAV4(約265万円から約388万円)と比べて、CX-30
は約239万円から約371万円と、価格が高い分はデザイン料だと思えば間違いないと思い
ます。試乗前の説明でも、大半がデザインに関する内容で、そのほかのハードについての
紹介はほとんどありませんでした。

 もしCX-30のデザインを気に入り、ライバルと比べれば少しばかり高い価格を払える
なら、走りに代表される平均的な部分は納得出来るでしょう。

 筆者(国沢光宏)の印象を述べると、クルマのスタイルってマツダが追求する「美しい
」という評価軸だけじゃなく「カッコ良い」とか「個性的」という方向もあると考えます。

 RAV4なんかガンダムみたいなもので、美しくないけどカッコ良い。美しいクルマも
ステキながら、たとえばもう少し車高を高くしたグレードがあったら魅力的でカッコ良く
なります。CX-30のデザインが気に入り、価格も納得出来たならぜひどうぞ。