ミドルクラスSUVのXT5は不満もないが個性もなし

 続いて新世代の『XT5』。このクルマは輸入車で売れ筋となっているボルボXC60や、BMWのX3、アウディQ5、ポルシェ・カイエンと同じクラス。
全長4825mm×1915mmに、314馬力の3649ccV6を搭載している。
欧州車の場合、エンジンが2000cc級のダウンサイジングターボになります。価格も上級グレードで699万円。

 エクステリア&雰囲気はキャデラックらしさを感じさせる。ご存じの通りキャデラックってアメリカでも高級車。
信頼性からしてシボレーやフォードまったく違う。キャデラックに乗っていればお金持ちです。
インテリアも写真を見て頂ければわかる通り、シック。革と木目の色使いが上手。少なくともレクサスなどよりオシャレだ。

 乗るとどうか? 結論から先に書くと「普通」ということになる。飛び抜けた性能なし。
ドイツ車のような繊細かつ剛性感の高い快適さなく、ボルボのような安心感もなし。
強いて言えばレクサスRXのように少し剛性感足りず、少し乗り心地がゴツゴツしているが、
これといった不満なく走ってくれるというもの。評論家は紹介に困るタイプです。

 マクドナルドのビッグマックのように、普通に美味しくて普通にボリュームあるが、それを紹介しろと言われた途端、
書くことないという感じ。強いて言えば私の場合、キャデラックであることに魅力を感じるけれど、
キャデラック好き以外だとストロングポイント見つからず。むしろ数年後のリセールバリューなど厳しく買いにくい?

 また、自動ブレーキに代表される安全デバイスも付いているようだけれど、性能はまったく不明。
カタログやプレスリリースに記載されおらず、キャデラックを輸入しているGMジャパンの担当者に聞いたら
「お客さんからそういった問い合わせないためわからないです」。アメリカ車を買う人はいろんな意味で大らかなんですね、と思った。