>>829
このスレで過去に何度も、化学反応を利用した電池の経年劣化の問題と並んで、
電気は貯められないということを指摘してきたのだけど、未だに蓄電池は
電気を貯めていると誤解している人がほとんどのようだ。
「蓄電池」、「充電」という用語が誤解の元だろうと思う。
蓄電池も放電するときは、化学反応を利用して「発電している」だけだし、
「充電」は電気を貯める操作ではなく、単に元の発電できる状態に戻す操作をして
いるだけだ。「充電」が完了しても、蓄電池に電気が貯まったわけではない。
電気が貯まったり減ったりしているように見えるだけだ。

この誤解は、今や大きな社会的問題を引き起こしている。
いまこの瞬間も発電所で発電している電気量と、家庭や会社で消費している電気量は、
ほぼ完全に一致している。一致しないと周波数が狂ったり、広域停電の問題が発生する
ので、電力会社は常に一致するようにリアルタイムで発電量を調整して消費量に合わ
せている。
最近の自然エネルギー発電の増大により、電力網全体でその調整が難しくなっている。
九州電力で問題になったけど、2011年に100%自然エネルギー発電宣言をしちゃった
ドイツでもやっとその問題に気づいて、火力発電も含めて方針転換した。

政治家、役人の技術的な問題軽視は目に余る。気づくまで7年もかかったわけだ。
半導体技術を基礎にした情報技術の劇的進歩の類推から、発電・送配電の技術もそう
なるだろうと予測してしまったのだろう。
両者の技術はまったく異なる。その違いはエネルギーを扱うかどうかという点だ。
以前このスレで、この問題をわかりやすいように、弱電と強電の違いとして説明した
のだけれど...。