レース会場にいるアンカーはなぜか速く見えてしまう。生意気そうなコーコーセ
ーが高価なイタリアモノに乗っていたりすると 「ちょっと勝負してみっか」 と
いう気にならなくもないが、コンガリと日焼けした彼がボロボロのフルアルミの
アンカーに跨って現れるともう勝てる気がしなくなる。勝負する前に心が折れて
しまう。

それがアンカーというイメージ。大和魂の日本男児がねじりハチマキ腕まくり。
黒髪の小柄な選手が世界で奮闘する姿。好戦的でなぜか誇らしく、でもやっぱり
どこか垢抜けない。そういうイメージ。