Yahoo映画5点評価レビューから

なぜ東京へ向かう主人公を周りの大人は一人で行かせたのか。理由はそれがすずの成長に必要だったから。これはフィクションだからこうなったんだろうと思うけれど、すずが一人で誰かを助ける事が母親が命をかけて子供を救ったその行動になぞらえるためだったと思う。
女性たちは すずの母親代わり、一人一人の関わりはそれほど強くないと思うけれどみんなで見守っていた。でもこれは亡くなった母親からの親離れのための儀式でもあるから、一人で旅立たなくてはならなかった。

リアルなら時間などの折り合いがついた一人二人はついていくはずだけどこれはフィクションだから成立する。 主人公があの兄弟の父親をなぜ退けることができたのか。それはあの父親が真正面から見つめられることを恐れたから。
Uのなかで顔が見えない女の人の絵があったり兄弟が父親と目を合わせていない点などからそう感じました。兄弟の母親からの視線のように感じたのかもしれません。竜も見られることを恐れていたし、これは親子共通の弱点だと思います。見つめられることを恐れる理由はそれぞれ違っても、弱点は一緒。

すずがUの中で自分の姿をさらけ出して歌ったシーンがとても好きです。母がどう感じてあの子供を助けたのか自分なりに答えを見つけられたから。

最後にこの映画を強い言葉で批判する人たちが、Uの中でベルや竜を批判する人たちと重なります。自分が好きじゃないもの納得できないものを攻撃せずにいられない、排除せずにいられない。 あなたは何と戦ってるの?距離を取るだけじゃだめなの?攻撃せずにいられない批判せずにいられないなら、あなたの心を見詰め直してほしいです。