−−「2199」「2202」ならではの魅力は?
 福井さん 第1作が放送されたのは、戦後30年なんですね。
今から30年前は1990年、最近な気がしますよね。
第1作放送当時は、30年前の戦争の総括だった。
今の我々がバブル経済とは何だったのか?を考えるのと
同じような距離感なんです。
令和の時代にやることの意味を明確に出さないといけない。
昔の「ヤマト」は、戦争はいけないという常識の中で、
ヤマトを飛ばすことの自己矛盾を主人公に語らせました。
親や兄弟を殺され、仕返しした後に残った感情が
「愛し合うべきだった」というものだった。
あの時代に抜け落ちていたことを描き、
そこが多くの人に支持されました。
今のご時世は、次から次にひどいことが起き、
来年あたり宇宙人が来ても驚かない。
分かりやすいコンテンツばかりになっています。
心や体が傷つき、癒やしを求めている。
でも、本来考えないといけないこともあります。
こんなに傷ついている!ということを作品の中で語り、共有する。
それが昔の「ヤマト」のやったことの今の時代の答えなのかも
しれません。
古代進は、常識的な青年ですが、普通に生きることが
難しくなってしまいます。
誰も傷ついているこの時代の気分を表現できれば、
あのラストに意味が出てくるのかもしれません。