かぐや姫の物語 35
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高畑勲監督作品「かぐや姫の物語」のスレです
2013年11月23日(祝)全国ロードショー
・関連サイト
かぐや姫の物語 公式サイト
http://www.kaguyahime-monogatari.jp/
スタジオジブリ 公式サイト
http://www.ghibli.jp/
・前スレ
かぐや姫の物語 34 [転載禁止]c2ch.net
http://medaka.5ch.net/test/read.cgi/animovie/1438875736/ ・スタッフ
監督・原案・脚本: 高畑勲 プロデューサー: 西村義明
原作: 「竹取物語」 製作: 氏家齊一郎
脚本: 坂口理子 美術: 男鹿和雄
人物造形・作画設計: 田辺修 作画監督: 小西賢一
作画: 橋本晋治 音楽: 久石譲
濱田高行 主題歌: 「いのちの記憶」
安藤雅司 二階堂和美
山口明子 劇中歌:「わらべ唄」「天女の歌」
他 高畑勲、坂口理子
・キャスト
かぐや姫: 朝倉あき 捨丸: 高良健吾
翁: 地井武男 媼・語り: 宮本信子
相模: 高畑淳子 女童: 田畑智子
斎部秋田 立川志の輔 石作皇子: 上川隆也
阿部右大臣: 伊集院光 大伴大納言: 宇崎竜童
御門: 中村七之助 車持皇子: 橋爪功
北の方: 朝丘夢路 炭焼きの老人: 仲代達矢
石上中納言: 古城環
・キャッチコピー
この地で、ひとりの女性が生きた。
笑い、泣き、喜び、怒り、その短い生の一瞬一瞬に
いのちの輝きを求めて。
数ある星の中から、彼女はなぜ地球を選んだのか。
この地で何を思い、なぜ月へ去らねばならなかったのか。
姫が犯した罪とは、そして罰とはいったい何だったのか――。
日本最古の物語文学「竹取物語」に隠された人間・かぐや姫の真実の物語。
姫の犯した罪と罰。
ジブリヒロイン史上、最高の”絶世の美女”が誕生。 ・よくある質問(ネタバレ注意)
Q.姫の犯した罪と罰とは?
A.かぐや姫の罪とは清浄な月世界にとっては禁断の地である地球上の命の営みを歌ったわらべ唄に憧れたこと
月にとってその唄は穢れの象徴なので、かぐや姫は罰として地球上で穢れに苦しみながら生きることを強いられた
かぐや姫がその苦しみに耐えられず月に許しを請うた時、つまり地球の穢れを認めた時に罰は終わる
(ノベライズ版p.5より)
しかし、この作品のテーマは月世界に押し付けられた「罪と罰」を描くことそのものではない
むしろかぐや姫が月の価値観に抗って生きたように、この地上で生きることを肯定することである
「ああ、そうなのだ!この地に生きとし生けるもの、それらに流れるすべての息吹、
その美しさも汚らしさも、澄んだものも濁ったものも、すべて私は愛していた。
恋い焦がれ、本当に心の底から欲していたのだ。その中で『生きる』ことを……!」
(ノベライズ版p.191より)
一方で、高畑監督は鈴木Pが考えた「姫の犯した罪と罰」という宣伝文句を前面に押し出すのは迷惑だったと言っている
罪と罰について考えたことが「かぐや姫の物語」の発想の種子であることは事実だが
今作のテーマはそんなセンセーショナルな言葉から連想するようなおどろおどろしいものとは正反対だからである
(ロマンアルバムp.159より)
Q.なぜ月はわらべ唄を嫌うの?
A.月世界は浄土でありその住人は天人(仏教)。彼らにとって生(生老病死)と輪廻転生はタブーだから
わらべ唄にあるまわる水車とは地球の意味で、お日さんとは太陽であり命の象徴
この唄はその地球上で繰り広げられる命のサイクル、つまり輪廻転生を賛美するもの
詳しくは天上界や天人五衰で検索(下記レビューも参照)
http://k-onodera.net/?p=198 Q.普通の竹取物語とどこが違うの?
A.レビューがあるのでそちらを参照
・原作との違い
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id344585/rid105/p1/s0/c2/
・五人の公達の贈り物の意味
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id344585/rid53/p1/s2/c9/
Q.なぜ帝との和歌のやり取りや富士山の話が出てこなかった?原作の冒涜では?
A.上記レビュー(原作との違い)を参照
また高畑勲の竹取物語論で言及される「今昔物語集」の竹取物語には上記のエピソードは登場しない
専門家によると現存する竹取物語より「今昔竹取」のほうが古い可能性も指摘されている
Q.夢落ち2回って都合よすぎだろ?
A.あれは夢落ちではない
疾走シーンの後貝が割れていたことからもわかる
月はかぐや姫を監視していてどちらのシーンでも月が巨大化して激おこ状態になってる
姫が月に背き取り返しのつかない事態になったため飛天(クリオネ)の力で時間を操作し無理やり月のシナリオに連れ戻した
(絵コンテp.409-410より)
Q.回想シーンの月のおばさんと海辺の親子は誰?
A.静岡県にある三保の松原に伝わる羽衣伝説
(絵コンテp.750-751より)
海辺に松があり富士山が遠景に見えることから特定できる
羽衣を松にひっかけて帰れなくなった天女と人間の男が出会う物語
竹取物語の前日談としての羽衣伝説という位置付け
この天女が覚えていた地球の歌をかぐや姫が聞いてしまったのがすべての始まり
また天女の歌「まつとしきかばいまかえりこむ」は在原行平からの引用
「まつ」は「待つ」と「松」の掛け詞になっており羽衣伝説の松と地上に残した家族への想いを重ねている
http://shimizu-kaigan.net/asobu/miho.html
Q.あの小さくて可愛らしいお付きの者はなにもの?
A.女童(めのわらわ)
主人の身の回りのお世話をする侍女見習いの女の子
初期設定では名前はウメだった
お迎えのシーンでわらべ唄を歌っていたのは子供や動物には天人の音楽が効かないからか Q.花見のシーンでかぐや姫がすぐ帰ってしまったのはなぜ?
A.美しい桜を見て楽しかった子供時代と里のことを思い出し喜びに浸りきっていたが
子供とぶつかり畏れられ謝られ逃げられたことで、自分はもはや他の人とは対等に扱ってもらえない存在であることを思い知った
山の人間ではなく都で高貴の姫君、つまり姫にとっては「人ではない」存在として生きねばならない疎外感に耐え切れなくなった
Q.かぐや姫の気持ちがわかりませんでした…
A.良レビューがあるので参考にしてください(これが正解というわけではありません)
『かぐや姫の物語』の、女の物語
http://mamiamamiya.hatenablog.com/entry/2013/12/02/100005
Q.石作皇子の求婚シーンでかぐや姫の代わりに座ってた女は誰?
A.石作皇子の正妻である北の方。
北の方は石作皇子の言葉に騙されて不幸になった女をたくさん見てきた。
その悪行に耐えかねてかぐや姫と入れ替わって石作皇子を驚かせた。
「『かぐや姫の物語』の、女の物語」の醜女という解釈は正しくないので注意。
Q.ストーリーが難しくて理解できませんでした・・・
A.映画批評家による良解説があるので参考にしてください。
「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」
週刊映画時評 ムービーウォッチメン「かぐや姫の物語」
https://www.youtube.com/watch?v=JXxIjDGjpyM
「ライムスター宇多丸のシネマランキング2013」第二位(洋画邦画合わせて)
Q.あんなに長いタケノコ食えるの?
A.当時の竹はマタケやハチク。1mくらいまで食える。孟宗竹は当時はまだなかった。
(『文藝春秋』2014年2月号、高畑×宮崎×鈴木鼎談より) ■「かぐや姫の物語」受賞&批評まとめ(8/11追加版)
・2013年度シネ・フロント読者ベストテン 日本映画1位『かぐや姫の物語』
・2013年度シネ・フロント読者ベストテン 監督賞:高畑勲『かぐや姫の物語』
☆第23回 日本映画批評家大賞 アニメーション作品賞
☆第23回 日本映画批評家大賞 アニメーション監督賞 高畑勲監督
☆第23回 日本映画批評家大賞 アニメーション功労賞 小島 俊彦「かぐや姫の物語」他
☆東京アニメアワードフェスティバル2014 特別賞・アニメドール 高畑勲
・おおさかシネマフェスティバル2014ベストテン 第4位
・2013年映画検定有志のベストテン 第5位
・キネ旬戯画 2013年アニメ映画ベストテン 第1位
・KINENOTEベストテン 2013 第7位
☆第68回毎日映画コンクール アニメーション映画賞 (高畑監督では2回目、ジブリでは2001年以後初の受賞)
・2013年「映画芸術」日本映画ベストテン 第10位 (アニメで唯一入選、ジブリでは千尋以来初)
☆2013年日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞
☆2013年日本アカデミー賞優秀音楽賞(久石譲)
・ブルーリボン賞 監督賞・作品賞ノミネート
☆キネマ旬報ベストテン2013年 第4位 (アニメではベスト、歴代ジブリでも4番目、高畑作品では最高)
・東スポ映画祭 作品賞&監督賞 ノミネート (アニメでは唯一)
・ジャパンタイムズ 邦画ベストテン 第1位
・ライムスター宇多丸のシネマランキング2013 第2位(邦画のベスト) ■「かぐや姫の物語」海外公開情報
○海外公式サイト
http://www.theprincesskaguya.com/
2014年10月17日アメリカで公開
2015年1月15日第87回アカデミー賞長編アニメ映画賞ノミネート
○RottenTomatoes 100% (57reviews)
http://www.rottentomatoes.com/m/the_tale_of_the_princess_kaguya/
・最高のおとぎ話だ・・・それでいて深遠で意味深い。ヒロインは浅はかな誘惑に負けず
自分自身に忠実だ
・かぐや姫の物語は唯一アニメーションでしか実現できない作品のように思われる
・あなたがどれだけかぐや姫を楽しもうとも、あなたはほぼ間違いなくかぐや姫を過小評価しているだろう
・かぐや姫の偉大な成功はその美術館級のアニメ表現だけでなく、古い寓話を一新させたことにも基づいている
・日本の古い、よく知られた伝説に基づきつつ、その映画は奇妙で他愛無い寓話のように始まるが、
その壮大な悲しみに観客は不意を打たれるだろう
○受賞歴
第87回アカデミー賞長編アニメ映画賞ノミネート
ロサンゼルス映画批評家協会賞 アニメーション映画賞
ボストン映画批評家協会賞 アニメーション映画賞
トロント映画批評家協会賞 アニメーション映画賞
アジア太平洋映画賞 アニメーション映画賞
ファンタスティックフェスト 観客賞
ミルバレー映画祭 アニメーション映画賞
モントリオール新映画祭 観客賞
アヌシー国際アニメーション映画祭 名誉賞(高畑勲)
ゴールデントマト賞 外国語映画第3位
LETTERBOXD 最優秀アニメーション 落ちてたので立てました
関連書籍とか円盤のテンプレは古いから貼らなくていいかな こんな大作の専門スレがないとか変だと思ったのよ
好きってわけじゃないんだけど、確かに凄い作画とは思う
ジブリでもっとも日本の昔話をアニメ化した意義は大きい かぐや姫の物語はどういう物語だったのか
月に帰らないと行けないと分かった後ですね
糸紡ぎをお婆さんとするんですね
かぐや姫は天女の歌を歌うんですね
めぐれ、めぐれ、めぐれ、遥かな時を
廻って心を呼び返せ、々
人の情けを育みて、待つ年きかば、いざ帰えりこむ
(本当にあなたが待っていたら、すぐに私は帰ってきます)
で、そのシーン変な物が映ります
これ今回のテーマです
雁が飛んでいて、松が描いていて、向こうに分かりにくいですけど、富士山が見えます
富士山から煙が出てるんですね
富士山は西暦1010年頃1回噴火活動したので、平安時代の頭あたりですね
その海岸になんか男の人と子供が走っているシーンがあるんです
次のシーンで松の木の下で、男の人と子供が月を見ているというシーンです
これ何か?
分からなかったですよね 何でこれがあるのかって言うと
これは高畑勲からすると、
日本人だったら全員分かるはずだと
富士山があって、松があるから三保の松原でしょ
三保の松原で月を見て待っているって言ったら
天女伝説に決まってるじゃないですか
三保の松原で、ある漁師が天女が水浴びしているのを見たと
その時に羽衣を隠したと、そのおかげで天女は天に帰れなくなって
男の女房になって、やがて子供ができた
その後、漁師が隠した羽衣を見つけて
天女は天に帰ってしまった
漁師と子供は三保の松原に残されて
天女がまた帰って来てくれるんじゃないかと待っていると言う悲しいお話ですね
富士山と松原で三保の松原でしょ
それで男と子供が待ってるでしょ
天女伝説分かりますよね?羽衣ですって
分かる訳ねえよwwwwwって思うんですけど
これがクライマックスシーンで見せる映像なんです
この後、続けて流れるのが月の貴婦人です
月の貴婦人が歌いながら泣いている
これを見てかぐや姫は地球に対して憧れるようになった、ですね
(月の貴婦人)
これコンテにですね、いなくなった子供を抱くようにって書いてあるんですね
つまり、この人はですね、子供がいたんでけども、その子供がいた記憶さえ奪われてしまっている
記憶をずっと奪い続けているのが、この周りにいるティンカーベルですね
妖精達が奪っているので、だから何が悲しいのか分からなくて泣いていると 何かって言うと、もう一度子供に会いたいから泣いているんですね
だから、この手だけが赤ちゃんがいた空間を示している訳なんですね
で、それを見てかぐや姫は何故か地球に行きたくなったと
変なんですよ、何でかぐや姫が地球に行きたくなったのか以前に
何でかぐや姫が月にいたのかです
かぐや姫ってその時にちゃんと少女として月の世界で描かれているんですね
少女が子供が月の世界にいるはずがないんですよ
月の世界は不老不死なんですから月の世界は大人しかいないんですね
その世界で子供のかぐや姫がいるって事は何かって言うと
恐らく二人目の子供なんですね
三保の松原の漁師の
かぐや姫は
で、この女の人の子供で、月に来て生まれちゃったんですよ
だから、自分の母親とも分からないんですね
自分の母親とも分からない人が、もう一回地球に帰りたいと思って泣いているのを見て
同じ気持ちだーって分かるんですけど
かぐや姫は自分がそうい存在だと知らない
だからかぐや姫は地球に憧れちゃうんですよ
別に月の人が地球に憧れたんではなくて
当たり前なんですよ、地球人とのハーフなんだから
地球に憧れたって言うだけの話なんですね
でも、月で生まれたから不老不死になっていると でどうなるかって言うとですね
じゃあかぐや姫は地球に降りて来た
辛い事もありました、良い事もあったんですけど
捨丸兄ちゃんと空を飛ぶシーンがあります
抱いて!強く抱いて!って言います
包容って高畑勲監督はですね77才になって
包容と言う言葉を使うとは思わなかったって言って照れていて
コンテにも77年生きていて包容と言うのは初めて書きましたって書いてありましたけど
あの空を飛ぶシーンは、はっきりあれなんです(自主規制しましたよw)
あれしてそれを見つかったので罰を受けたって言うのがその〜、堕落
月に見つかって堕ちるシーンのメタファーなんです
あそこで、抱き合っているのがあれだって言う事は
だいたい見ている人の中で、そういう事が分かる人はだいたい分かると思うんですけど
その結果を考えない
かぐや姫の罰と言うのは何かって言うと
もう一回、月に帰る時にお腹の中に子供を宿している事なんですね
だからラストシーンでこれが出る訳ですよ
(月に赤ちゃん)
なんで、ラストシーンでこんなもんが出るのかって言うと
もう一回同じ過ちを繰り返すんですね
もう一回同じ過ちを繰り返して、かぐや姫と捨丸兄ちゃんの間に出来た子供は、又地球に行きたくなるんですね
だから、めぐり、めぐるって言うのがずっとつづくと言う話なんですね
めぐり、めぐると又同じ事がある めぐり、めぐって又地球に帰って来ますとうのは、何かというと
かぐや姫が帰って来ますと言う事じゃないです
この過ちは永遠に続いて、それは又地球人にとっては散々だったのかも分かんないですけど
なんで最後に赤ちゃんが出てくるのかって言うと
同じ様な存在が又地球を見ています
そして、彼女は地球に来たがるでしょう
なんでかって言うと、その子供は元々地球に憧れるべくして生まれた様な子供だから
月の世界の人間だから地球に憧れたんじゃないんですよ
かぐや姫だから憧れたんではなくて、元々地球人との間に生まれて
地球の血を継いだ子供だから、地球に憧れてかぐや姫は来たくなってしまっている
これを絶望と捉えるか、希望と捉えるかなんですね
そうやって、やっぱり出会うべきものでないものも出会ってしまった
そして、そこに何かある事が命だと
それを悪い事だと考えるのが月の人で
それは悲しい事かも知れないけど
私達の世界の出来事で語り継いで行こうというのが日本人の発想だ
だから又会える、同じ過ちを繰り返すと、あの歌ができているんですけど
これってマドカマギカなんじゃないのかなって ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています