>>421
の補足です。

新山がその台詞を言ったのがたしか理科室なので最後の演奏後そこに逃げ込んだ希美の再度コンプレックスを案に想起させるため(単に場所を変えただけで現実逃避にさせないため)の観客向けのアンカー(無意識の記号)という役割もあるかも。
希美が新山と直接やり取りした場所ではないので脚本上では新山を悪役にせずに間接的な画面上の効果でだけ観客に語りかける感じ?
みぞれのスペースであるあの理科室は建物の構造的に音楽室がある校舎に対してちょうど鏡写しの関係になっていて窓側方向に音楽室(=本来は音楽と鳥かご両方のメタファーを兼ねていますがこの場所では中庭=外界の空間を挟むことで鳥かごのイメージだけを上手く消している)
が位置しているので(演出として無意識に訴えるにはあまりに複雑すぎるロケーションのようにも思えますが話の前半の方で胸にフルートの光を受けるシーンが伏線として効いている)
ハグシーンでみぞれが部屋の窓側=画面左側=青い鳥の飛翔方向(基本的に映画全体を通じて一貫して右から左に固定)を向いているのに対して希美はその正反対の現実を直視しながらみぞれの思いを正面から受け止める
・・・というクライマックスに向けた細々した職人芸的な伏線の一部かと。