アナウンサーで百合だのかんだの

**名無しがお伝えします** · 2020/06/27(土) 22:09:12.90

アナウンサーやキャスターで、百合小説を書くスレッドです。

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**名無しがお伝えします** · 2020/06/28(日) 02:03:20.83

「北九州だけでなく、福岡でもクラスター感染です。」
「久留米市の豪雨、街中が水没してます。」
本番前の慌ただしい時間。次から次へと予定稿が差し替えられていく。
「久留米の原稿は？まだ間に合わないなら、番組中でいいから私に渡して。」
「山口さん、大丈夫ですよ。私でも対応できますから。」
「なら、空いた方に原稿渡して。そこで読むから。」
恐れてた新型コロナの複合災害が起きようとしている。それでも、私は伝えるしかできない。後はみんなに届くのを祈るしかない。

「はい、お疲れ様。今日はホントに大変でしたね。」プロデューサーが労ってくれた。
番組開始から3年目、少しずつだけど反応が高くなってるのが実感でわかる。明日からはロケも再開される。頑張らなくちゃ。
「ピロピロピロ！」
あ、LINEの通知だ、誰だろ。あ、山崎さんだ。
「どぉもー、山崎でーす！」
「・・・伊藤です。」
「小野ちゃん、ニュース好評なの、こっちにも届いてるからね。なお、伊藤さんとは、ソーシャルディスタンスです！」
「・・・フィジカルディスタンスが正しいですよ、物理的距離ですから。社会的距離まで離れちゃ、だめだよ。」
相変わらず面白い、山崎さん。とくダネを担当して大変なのに、たまに動画を送ってくれる。
「山口さん、ちょっとだけ付き合っていただけます？」不思議そうな山口アナと一緒にLINE用動画を撮影する。
「山崎さーん、小野ですよ！こっちも頑張ってますよ！こっちも、フィジカルディスタンスですからね(笑)」
「・・・山口です。アナウンサー一斉点検には出さないでください。大谷さんは、ももち浜クビになりました(爆)」
二人で大笑い。これで山崎さん、どんな反応してくれるかな。

**名無しがお伝えします**(ジパング) · 2020/06/28(日) 10:56:25.96

ライター

**名無しがお伝えします** · 2020/07/01(水) 01:46:51.48

あ、自己紹介忘れてた。私の名前は小野彩香・・・もう、めざましてれびでお天気キャスターやってたの、忘れてるかも。2年だけだったし、その後のかやちゃんの活躍ぶりを見てると、うらやましさも感じる。
もともと、歯科衛生士になりたくて大学に入ったけど、子供からお年寄りまで歯磨きの指導をしていたのを見た方が「アナウンサーになれるよ。」と言われ、ちょっと調子に乗っちゃった(笑)
ホントは医療機関とかに就活に行ってて、テレビ局へエントリーシート出すの忘れてた(苦笑)
辛うじてフジのアナウンス試験が残り、最終面段まで残った、けど落ちてしまい、これからまた就活かと思ってた時に、「小野さん、ちょっとお話が」
立派な応接室に、男性が二人。「あなたの試験の態度を見て、落ちたのがもったいない。ぜひ、うちに来て欲しい。」渡された名刺に「セントフォース」の文字が。
「早速仕事が入ってますよ。彼が担当してる、めざましテレビのお天気キャスターだよ。」えっ！こんな私が！
「ぜひ頑張って欲しい。明日には美郷さんと記者発表だよ。」めざましのチーフプロデューサーという方の穏やかな表情。
こんな私でもいいの？明くとこさえできなかった扉が突然開き、光が射し込んできた。

**名無しがお伝えします** · 2020/07/02(木) 04:03:33.62

「今度お天気キャスターを勤めます、小野彩香と申します。めざましテレビに少しでも貢献できるように、頑張ります！」
私の前には三宅さん、生野さん、加藤さん、軽部さん。いつもテレビで見ていた人達が、私のために勢揃いしてくれている。
「これからの活躍、期待してますからね。」三宅さんから握手され、思わず身震いしてしまった。
そして、挨拶が終わった後、みんなスタジオに散らばって、早速めざましの準備に取りかかり始める。
「やあ、緊張してたでしょ。」肩をたたかれ後ろを向くと、そこには山崎さんの姿。
「そのうち慣れるから。私がノンストップ終わるまで待っててくれる？今日は私が昼食奢るから。」
いつも明るく朗らかで、スタジオを笑いの渦に巻き込む山崎さん。大学時代から憧れてた彼女が、私に話し掛けてくれている。まるで夢のよう。
「お天気の仕事、そろそろでしょ。三井さん待ってるわよ。」今までとは世界が大きく変わる一日が始まった。