鎮魂を読んで、これは盛力自身が書いてあるから、
そのまま感動していた。
俺は吐いたらあかんと思って舌をかみきった。
ここで吐いたら、俺の上の田岡三代目まで届いてしまう。
絶対に吐くことはできない。田岡三代目なのか、山本健一のヤマケンなのか、
よくわからない。とにかく絶対に吐いたらあかんということらしい。
それも大阪戦争なのか、それとも、ミナミでの新しいキャバレーでの開店祝いで、
田岡の横に座っている歌手に一曲歌えというところでケンカなのか、
どの事件なのかわからないが、とにかく田岡山口組が走り出したばかりの門出となるような
戦いで、一回でも落とせないケンカだったような感じなのである。
4代目以降の菱は、ケンカは勝っても負けてもどっちも、菱全体を崩れるようなことにはならないが、
3代目の時代は、その一つのケンカに負けたことにより、菱が無くなるようなケンカの一つ一つだった時代だから、
盛力の言っていることは、うなずくしかない。あのとき、盛力がそうですねこうですねって
吐いていたら、現在の山口組はなくて、三代目田岡も刑務所の中だったかもしれない。
多分、あまりのすごさで盛力以外はみんな落ちたみたいなことも書いてあったかな。わからない。
あの柳川組の親分でも、刑務所の中から、柳川組の解散を宣言したくらいだから、それは、本当に
大変だったと思われる。多分、奇門遁甲の図を描いたら、大吉と出ていたからこそ、耐えれたのかもしれない。
多分、司が折り紙をちぎって一枚一枚重ねて描いた絵を、吉方位に飾っていたのかもしれない。奇門遁甲の本を
読むと、犬小屋まで方位が決められている。