初めて目の当たりにした花形のパンチの破壊力に改めて石井はドギモをぬかれた。

たまたま、その場に居合わせた国士舘専門部の学生が花形にすり寄ってくる。

「とんでもない野郎だ」

長々と伸びている三人を足蹴にしようとして、
逆に花形に制される。

「もう、いいですよ」

このケンカで花形は国士舘での番長の座を
不動のものとすると
石井と連れ立って銀座、新宿、渋谷など
都心の盛り場を徘徊するようになる。