うちの親はムサビだが、俺は本当に不器用だった。
しかし姉は死ぬほど絵が上手く、それも全く教育課程を受けたことがなかった。
専門出とはいえ美術的教養のある絵の上手い俺の昔の彼女曰く、
姉の絵はかなり巧いのだそうだ。実際に絵の具の扱い、ストローク等器用だった。
デフォルメ絵まで器用にこなした。
俺は幼少期にうっすらと姉には勝てないことを知りつつ努力した。
その記憶は今でも憶えている。
やがて絶望に変わり、今の中年になるまで絵をまともに描こうとはしなかった。
その後、骨折絵から描き始め、いまやっと一年目に突入した。
「1年目とは思えない」と言われるほどに成長したが、
それでも神絵師にはほど遠い。