>>597
会社法9条・商法14条の名板貸しの責任は、「商号」の使用許諾だけが対象となっています。
したがって、「氏」や「氏名」を商号中に使用許諾した場合には、名板貸しの責任を負わないことになります。
そこで、このような場合には、民法109条の代理権授与表示による表見代理や715条の使用者責任を追及することになります。

また、商法537条も会社法9条・商法14条の名板貸しの責任と同じ趣旨の条文ですが、
商法537条は、「氏」や「氏名」を商号中に使用許諾した場合も名板貸しの責任を負いますし、
さらに、会社法9条・商法14条とは違って、相手方の誤認が要件とはされていませんから、
匿名組合員が責任を負う範囲は、名板貸しの責任よりもかなり広くなっています。