>>19
@私はその「Newえんしゅう本」を読んだわけではありませんが、
その本があなたの指摘されたような「答案構成」であれば、
あなたの仰るとおりだと思います。

A出題趣旨は、その前段において「本問で問うていること」は
「取締役会の承認決議を経て行われた利益相反取引によって
会社に損害が生じた場合」の各取締役の責任の理解、
後段において、論述に際して留意すべき事項として「特別の
利害関係を有する取締役の範囲と本件承認決議の効力、
利益相反取引の効力及び会社の損害」ということを示しています。

Bこの前段と後段をドッキングして読むと、まさにあなたのご指摘の
ような思考・答案像が求められていると思います。
頭の中では、あなたのように「損害があるのか」ということから思考を
スタートさせて、承認の有効性如何、そもそもその承認の有効性を
検討するに特別利害関係を有する取締役の範囲如何などが展開され
ると思います。
その思考過程をそのまま順次答案に書くか否かは答案政策上若干
悩ましいと思いますが、少なくとも、そのうような思考の整理が論述
から伝わるような生きた答案を書くべきだと思います。
仰るとおり、単に「会社に損害が生じたことが、手続上は瑕疵がなかった」
ことを当然の前提にして、設問の各取締役の責任論のみに終始し、
それらを羅列しただけの答案であれば、それはいかがなものかと思います。