大学受験シーズンも終わりが近づいています。近年は文系の人気が高いようですが、世界では異なる潮流が出ています。理系分野で優れた人材を増やそうと、科学・技術・工学・数学に力を入れる「STEM教育」が広がり始めているのです。

 STEMとは科学・技術・工学・数学の英語の頭文字をとったもの。先陣を切る米国は、2010年代から多くの予算を投じています。オバマ前大統領が11年に「中国やインドは理系教育に力を入れている」と演説するなど危機感があるのです。

 背景にあるのはテクノロジーの進化です。いろんな仕事でプログラミングやデータ分析などの能力を使うようになっています。漫然とした教育では国の競争力が落ちると、欧州やシンガポール、タイなどもSTEMを次世代教育の課題に掲げます。

 科学技術立国を掲げる日本はどうでしょう。