吉原は年功序列の街だ。
求人には年齢・経験関係なし。「誰にでも即チャンスがある」なんて書いてあるが、余程の事がない限り年功序列が優先される。上を目指す意思を示してる者に限るが・・・
自分も吉原に来て間もない頃には誰にでもチャンスがある街みたいな幻想があった。来て間もなく想像以上の金額を貰えたからだ。しかし、ある程度居るといろんなことが見えてくるもの。外様にチャンスはない。

柳家三三が新店に手を上げることによって、小三治傘下の店は揺れた。
こん平は冷ややかだった。表には出さなかったが明らかに賛成ではないようだった。
立川談志は激高した。とくに談志門下の「談春」は刺し違えてもいいくらいの勢いだったらしい。
親に弓弾く真似しやがって・・・なんて言ってたらしい。意味は分からないが談春は週刊実話だ大好きだった。どういう意味かは分からんが、とにかく頭に来ていたらしい。