◆ブラック業種の今◆
http://sp.yomiuri.co.jp/national/20180320-OYT1T50024.html
 神奈川県警の受験者数の減少に歯止めが掛からない。

 2017年度の受験者は5年前と比べて約4割減まで落ち込んだ。景気回復による公務員志望者の減少、少子化などが影響しているとみられる。
県警は18年度の採用試験から受験可能年齢をこれまでの30歳までから35歳までに引き上げ、転職希望者の採用に力を入れるなど人材確保に乗り出した。

 週末の17日に県警本部で開かれた18年度の採用説明会。約60人の参加者のうち6人が社会人だった。
県警は社会人でも参加しやすいように、土日や平日の夜も説明会を開催している。刑事部、生活安全部、交通部など各部門の職員が業務などを説明すると、
参加者たちはメモを取りながら熱心に聞き入った。

 銀行員の男性(25)は、「以前に消防士を志したこともあり、人のために働ける仕事を諦めることができなかった。
地域に根ざす警察官になりたい」と話す。また、2月まで衣料品店を経営していた男性(31)は受験可能年齢の引き上げもあって興味を持ったといい、
「説明会で現職警察官に直接話を聞けてよかった」と満足げだった。

 17年度の採用試験の受験者数は3863人で、6351人だった5年前の約4割減まで落ち込んだ。合格者763人のうち、
民間企業や他の公務員からの転職者は約40人で全体のわずか約5%。採用担当者は「年々転職者が増えている実感はあるが、まだまだ少ない」と話す。

 このため、18年度からは受験可能年齢を引き上げ、また、情報処理技術者の国家試験合格者には、教養試験が行われる1次試験で加点して
幅広い人材集めを試みる。採用担当者は「社会人経験は警察業務にも役立つ。受験可能年齢の引き上げをきっかけに他業種から転職を
考えている人たちにも警察の仕事に興味を持ってもらえれば」と話している。(五十川由夏、荒木香苗)
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