そのうち、今度の戦争がかくも惨めな負け様をした原因のうちで、何が最も大きいものであつたか? を自分流に考へるやうになつた。将棋の勝負では第一に技術(戦争に当てはめると、近代兵器其他の科学力)第二に体力(戦争では国力)第三に精神力(精神力は技術体力が互角の場合にのみ物を云ふものだ)だが、技術、体力が格段の相違だから、前にも云つたやうに、これは最初から、勝負にならないことは分り切つてゐたのだ。

木村義男の言葉だけど、今の囲碁界は技術も体力もないのに精神を語るからファンが呆れてんだよ。井山の世界戦が盛り上がったように勝つことが人気復活の第一。それか、芸だの礼儀だの精神論ではなく科学的に囲碁の効用を分析して子供教室を広げるか。とにかく囲碁にかかわる人間は、実力を伴わないで日本文化を騙る卑屈を恥じてもらいたい