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 懐かしい写真ですね。これは(平成19年の)小学3年のとき。真剣な表情で打ってますね。
自分がどんな姿で対局しているかわからないので貴重ですよ。
 3つ上の兄が囲碁をしていたこともあり、 6歳のとき、近くの碁会所に行きました。たしか
最初は九路盤だったのかな。大人のみなさんに容赦なく指導されました。なかなか勝てず、
泣いていた記憶があります。
 ルールを覚えると次第に夢中になって、小学生になるといろんな大会に出て、自分の力を
試すのが楽しくなった。2年生から、プロを目指すような子供たち40人くらいが集まる道場にも
通い始めました。夏休み中は夏期特訓があって、朝10時から夜9時くらいまで囲碁づけの日々。
夏休みらしいことといえば、土日だけ、家族で遊園地に遊びに行くことくらい。でも、つらいな
んてまったく思わなかった。囲碁を打てるのが楽しくて、あっという間でした。
 夏休みにこの大会に出るのが最大の目標でした。団体戦って、個人戦とは違うおもしろさ、
緊張感があるんですね。自分が負けても、あと2人が勝ってくれれば救われる部分があったし、
自分が勝てばチームに貢献できたといううれしさがある。喜びを仲間と共有できるのがいいと
ころ。負けても次に頑張ればいい。みなさんには全力を尽くしてほしいです。
 小学3年生のとき、将来はプロ棋士になりたいと考えるようになり、その後、日本棋院の(プロ
棋士養成機関である)院生になり、6年のときプロ入りできました。棋士以外の職業は思い浮か
ばないですね。高校や大学へ進んでも、進路を決めるのは難しいと聞くので、好きなことを
仕事にできている私は特別なのでしょう。幸せなことです。みなさんも"これが好きだ"という
ものに出合えたら、とことん突き進むのもいいかもしれません。せっかく囲碁を覚えたのだから、
周りの人も誘ってみてください。将棋界は藤井聡太四段(15)の活躍で注目が集まっていますが、"囲碁も楽しいよ"って。
 今は年に何回か、大会で中国や韓国にも出かけます。言葉がちゃんと話せるわけではない
のですが、終局後の感想戦は身ぶり手ぶりでなんとか通じます。ルールさえ知っていれば世界
中の人と碁を打って友達になることができます。一番素晴らしいゲームだと思います。
 子供の頃、とくに小学校低学年にとって、授業などで1時間集中するのは難しいでしょう。
その点、ある程度囲碁が打てるようになった子供たちをみていると、碁盤の前でじっと集中して
いる。定石を覚える記憶力も必要だし、自分で考えることも必要。学校の勉強につながるか
どうかはわかりませんが、集中力を身につけるには、囲碁はとてもいいもの。長く続けて、楽
しんでほしいです。