ソロン「クックック……この生命力と変異力、素晴らしい」
タレス「ソロン、何をしておる」
ソロン「おお、タレス様、新たな研究が捗っておりましてな……」
クロニエ「げっ、それってガルグ=マクで騒動になってたやつじゃ……」
ソロン「その通り……大体殲滅させられたが隙を見て一部を回収し、これまで研究していたのよ」
タレス「だが大丈夫か? 向こうの小童どもがそれをけしかけて、コルネリアが随分被害があったそうだが……」
ソロン「ご安心を、研究を重ね活性速度の調整は進んでおります。
    更に、これを人に摂取させると大いに変異すると言う性質も素晴らしく、これをもってすれば、紋章石を用いずとも魔獣の作成が容易になります」
タレス「成程、これで手駒をふやせればフォドラ制圧、セイロス教団殲滅の道もまた早まるか……ならばソロン、研究の完成を急げよ」
ソロン「はっ、もう少し進めば実験段階に移れましょう、ガルグ=マクの近くの、ルミールと言いましたか、あの辺りで行うつもりです」
クロニエ「キャハハ、そうしたら学園の連中、大慌てかもねぇ、なんせ一度殲滅した草が近くで現れて、更に元村人の魔獣の群れだもん」ドン ガチャ
ソロン「あ……」

 クロニエが棚に凭れた衝撃で棚にあった活性剤と書かれた瓶が倒れる。
 倒れ零れた中身はソロンが研究用にとってあった他の草の束にかかり……


エーデルガルト「アドラステア地区であのリーフ草が大発生、屋敷が一つ呑まれたそうよ」
クロード「ゲッ、マジかよ、どこまで飛んでったんだあの花粉……」
ディミトリ「その割には落ち着いているな、自領だろうに」
エーデルガルト「まぁね、発生したの、伯父様の屋敷だもの」
ディミトリ「ああ、アランデル公のか……ならな」
エーデルガルト「伯父様なら何とかするでしょうけど、まぁ後で救援に火魔法使い一部隊も送るわ」
ディミトリ「その中にアネットも加えてやってくれないか、良い経験になるだろうしな」
エーデルガルト「解ったわ」
クロード(笑顔で話してるけど燃やし尽くすつもりだこいつら……王族って怖ぇ……)