私は先程までmacに向かっていた。
古代祐三氏のミスティーブルーより「in the morning」の打ち込み作業を行なっていたのだ。
なぜ平成最後の年に今そのようなことをしていたのかといえば、先日購入したアリコレBOXを聴きながらあることを思い出した。
高校生の頃に耳コピをした「in the morning」の楽譜どうしたっけ?
友達に貸したままだったかな…
楽譜は思ったよりも早く見つかった。
古ぼけた五線ノートに拙いが丁寧に音符が綴られていた。
ピアノで試しに弾いてみると当時苦労して採譜したことを思い出した。
今はもう手元にないが、X68000に打ち込んで何とかこの曲を再現しようと、1週間かけて採譜をしたのである。
しかし聴き取りにくい箇所があり、自信がなかったので再度採譜をすることにした。
中間部のSSG音源によるバッキングパートだ。
うーん。これは厄介だ。SSGの和音は音色の特性なのか非常に聴き取りにくい。
(古代氏はドルアーガの音をノイズ混じりの録音テープから採譜したらしいが、私にはとても無理だ。)
しかもSSGによる単音のアルペジオと重なっていて更に聴き取りにくい。
経験則でなんとかなると思ったが、思えば若い頃と比べ聴力は落ちているはずなのだ。
しかしどうしようもないと諦めるのではなくここはひとつ冷静になり、作曲者の視点でアレンジを推測してみることにした。
和声を外さず他のパートとのバランスを考えれば、自ずと鳴っているであろう音の構成が見えてくる。
やはり年の功である。なんとか難所の中間部を聴き取ることができた。
こうして打ち込んで聴いてみると、高校生の時には分からなかった発見もある。
「なるほど中間部はU-X-Tを半音上がりながら繰り返しているのか…なぜ今まで気づかなかったんだ!
古代氏は当然そこら辺分かっていたのだろうな。和声にこだわる時は鍵盤を使って作曲するらしいからな。
この曲もそうかな?鍵盤はたぶんM1だろうな。インタビューの写真にいつも写っていたからな。」
平成ももうすぐ終わる。
平成は私と古代祐三氏の音楽との出会いで始まった。
いつのまにか私は年をとったが、今でも古代祐三氏の音楽を聴くと熱くなる。
アリコレBOXを購入してよかった。
そのことをきっかけに自己満足ではあるが楽しむことができた。
採譜作業を通して古代祐三氏の作曲における思考の一部を垣間見ることができた気がする。
さて、次はアクトレイザー2に取りかかろうかな。