0015名前がふっとんだ
2018/07/21(土) 14:08:21.68どんどんどんどんお城が小さくなって
もう王様に何かを言いに来る人はいなくなってしまいました。
何日も何年も経って
王様がお腹をすかせていると
男の子がパンをくれました
王様は「ありがとう」とお礼を言いながらパンを食べました。
でも王様はその男の子を知らなかったので名前を聞きました。
すると、
「僕には名前がないんです」
王様は男の子に王様の名前をあげました。
男の子は聞きました。
「王様は名前いらないの?」
王様は言いました。
「王様は『王様』だから良いんだよ」
男の子は言いました。
「お金も無くてお城もないなんて王様じゃないよ」
王様はにっこり笑って答えました。
「王様はみんながいるから王様なんだよ」
男の子は王様のことが大好きになりました。
王様は最後まで立派で優しいみんなの王様だったのです。
そんな王様をみんな大好きだから
王様がいなくなった後もみんな、名前の無い王様のことを忘れませんでした。