「名前の無い王様」

まだみんなが生まれる少し前
世界で一番大金持ちで世界で一番大きなお城に
誰よりも立派で誰よりも優しい王様が住んでいました

ある日、国民の一人が言いました

「王様!あまり雨が振らず作物が実りません!
これではお城に納めるお金が払えません」

王様は世界で一番お金持ちなので納めなくてもいいよと言いました。

別の日に国民の一人が言いました。

「王様!いっぱい人が増えてもう家が建てられません!
これではみんな外で寝るしかありません」

王様のお城は世界で一番大きいのでお城を小さくしました。

また別の日に別の人が言いました
それからまた別の日もまた別の日も

王様は誰よりも立派なのでみんなのお話を聞いて
王様は誰よりも優しいのでみんなの望みを叶えました