1934年 猪俣津南雄による昭和恐慌下の農村ルポ

行詰りの一典型と言ってよいような村もあった
村の土地は殆ど全部銀行の手に移っている
村井には馬一匹いるでない
その代り、言えはまるで馬小屋のようである
畳はむろんなく、戸代わりに筵を下げているのが多い
電灯はランプに変わっている
医者はとうに縁が切れ、全村が殆ど半病人みたいで
わけてもひどい眼病にやられている

こういう故郷の惨状、姉や妹が売られた兵士達の悲哀も
探せばうじゃうじゃエピソードが湧いてくるけど
こういうの改善するどころか、農地制度を天皇と結び付けて「国体」として維持
貧乏人に富を分け与えたくはないけど、軍の反乱も怖い……
いっそ軍を中国で暴れさせて貧乏人は移民させて解決するか!無理だと思うけど内乱よりマシ!
ってのが戦前の実体なので、格差是正はちょっとやそっとじゃ起きない覚悟が必要
日本は敗戦でようやくアメリカに農地改革やってもらったわけで、自分達では解決できていない