「客観的に考えるための性能は理性である。
理性の背後にある情動的な態度は謙遜の態度である。
客観的であることと、理性をいかすこととは、
人が謙遜の態度を心に身につけることができた時にのみ、
人が子供の時に持っていた全知全能の夢から脱出しえたときにのみ、
できることなのである。

愛の技術の実践についての討議という見地からいえば、
このことは、愛とはナルチシズムが相対的に欠如している
ということに依存するものであるから、
愛には謙遜と客観性と理性の発達とが必要となるということを
意味するということになる。、
われわれの全生涯は、この目的のために捧げられなければならぬ。」