道交法の専門家は、27条の義務 (加速してはならない義務、進路を譲る義務) について、速度違反者に対しては義務は生じないと解釈している

道交法の解釈として最も権威ある文献といえる警察の執務資料では、27条1項、2項に共通で出現する
「最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、…同様とする」
という文の解釈について、法の趣旨から見て、速度違反者に対しては義務は生じないと考えるべき(義務発生は法の趣旨から見て消極に解すべき)であるとしている。

また交通事故等を扱う専門の弁護士も、警察の執務資料から考えて、『速度超過車に対する譲る義務は生じない』という見解を述べている。

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執務資料道路交通法解説16-2訂版 (宮崎注解 s.41)
「追いついた車両が法定の最高速度を超える速度で違法に走行していたとしても、
なお追いつかれた車両に加速してはならない義務が生ずるかどうかという点については、若干の疑問はあるが、 
法の趣旨から見て消極に解すべきであろう。」

齋藤裕弁護士
「27条1項については警察の執務資料で、疑問はあるとしつつ、追いついた車両が制限速度に違反している場合には適用されないとしています。
そこから考えて、27条2項について指定最高速度を上回っているときは含まれないと考えます。」

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