新型肺炎の感染拡大が日本に打撃!? 国産自動車メーカーに及ぼす深刻な影響とは
2020.02.07 国沢光宏

中国を中心とし、世界各国に感染が広がっている新型コロナウイルスが、日本の自動車メーカーに大きな打撃を与える可能性ががるといいます。それはいったいどういうことなのでしょうか。

中国製の部品を使う日本車は意外に多い!?

 新型コロナウイルスの影響が、自動車業界にも出始めています。

 中国は「世界の工場」といわれており、さまざまな部品や製品を作っています。中国で作られる自動車部品や製品は、中国内の自動車工場だけでなく輸出もされているのです。

 真っ先に白旗を掲げ、生産ラインを止めることになったのが、韓国の現代自動車や双竜自動車でした。

 中国からワイヤーハーネスを輸入しているのですが、中国の工場が停止し、生産出来なくなっています。

 物流も完全にマヒしており、調達出来ない状況になってしまいました。本来なら中国の正月休みにあたる春節明けから稼働し、韓国に入ってくる予定だったものの、未入荷。
現時点で工場の稼働や運送のメドを立てられない状況だといいます。

 ワイヤーハーネスは、非常に複雑で手間の掛かる部品ということもあり(クルマの開発ではかなり初期の段階で決定される)、簡単に「ほかの工場で生産」というワケにはいかないのです。

 春節休みが2020年2月9日まで延長されたため、現代自動車だけでなく、ルノーサムソンもワイヤーハーネスのほか、10種類くらいの部品が調達出来なくなったようです。

 日本に及ぼす影響はどうでしょうか。たとえば、電動パーキングに不具合が出て長い間生産休止になっていたホンダ「N-WGN」の場合、使われていた主要部品は中国製でした。

 改良された電動パーキングに使われている部品の調達元をホンダに聞くと、「中国製かどうか調査中です。2月一杯くらいの部品をストックしてありますので当面影響ありません」とのことでした。

 ホンダに限らず中国製の部品は案外多いと思われますが、各社、東日本大地震とタイの洪水でパーツ不足になり、クルマの生産が止まった経験があります。