●●●●風力太陽光の電気は「逆ザヤ輸出」で大損●●●●

ドイツ「エネルギー転換政策」を検証する

http://www.enercon.jp/topics/13815/?list=contribution

間欠的で常に変動する風力・太陽光発電は需要に基づく発電指令に応じることができず、
したがって指令に応じられる既存の安定電源の代りを務めることはできず、交替することもできない。
風力・太陽光の設備は既存の電源に追加されて建設されるため、業界が抱える設備量は過大になって行く。

電力は需要に合わせて生産するものであるのに、ドイツでは再生可能エネルギー(風力・太陽光)の発電設備が増えすぎたため、
国内消費の10%に相当する602億kWhを余計に発電し、国外に輸出しなければならなくなった。
この余剰発電による輸出量は年々増え続けており、
再生可能エネルギーを増やせば増やすほどその量は増える状況にある(図7)。

余剰が生まれるのは主として風が強く吹く時、太陽が強く照る時であり、電力市場では安い価格が生じることが多い。
そのような安い電気を輸出する訳であるから、貿易収支には不利となろう。
FIT による太陽光・風力の高い買取価格と安い輸出価格の差は賦課金として国民が負担することになるので、
国内の発電量が大きくなり、輸出を余儀なくされることは好ましいことではなく、この面でもドイツ政府は失敗を犯しているのである。
ドイツでは電力系統がつながっている隣国のオーストリア、オランダ、フランス、スイスなどに余剰電力を買ってもらえるが、
島国の日本では不可能なことである。また隣国でも火力発電の出力引き下げができなくなると受け入れることができなくなるので、
ドイツは早晩そのような局面を迎えることを覚悟しなければならないであろう。