▼用語解説
<デフ>
 ディファレンシャルギア(Differential gear)の略で、差動装置や差動歯車という意味。
 これは駆動する二つのタイヤの間に取り付けられ、トルクを分配したり回転の差を調節(吸収)したりする。
 ちなみに回転差を吸収する事を差動という。
 車がスムーズに曲がる為にはなくてはならない装置だが、弱点が存在する。
 どちらか片方のタイヤが空転した場合、そのタイヤにトルクが集まってしまい、反対側のタイヤは停止してしまう為、
 タイヤが空転しやすい路面や地形ではスタックし易くなってしまう。
 この対策として、デフにLSDやデフロックを組み合わせてトルクの流出を防いだりする装置が存在する。

<エルエスディー(LSD)>
 リミテッドスリップデフ(Limited Slip Differential gear)の略で、差動制限装置という意味。
 デフの「空転するタイヤにトルクが流出してしまい、反対側のタイヤは停止してしまう」という働きを制限する事ができる。
 LSDは大別すると「回転差感応型」と「トルク差感応型」がある。

 「回転差感応型」は、回転速度の差が発生すると回転の速い側から遅い側へトルクの伝達が穏やかに行われる。
  ・ビスカスカップリングがよく使われている。

 「トルク差感応型」は、トルクの差が発生するとトルクの大きな側から小さな側へトルクの伝達がほぼ一気に行われる。
  ・ウォームギア式(トルセン式)
  ・ヘリカルギア式(トルセン式)
  ・スライダーカム式(ダイハツ:ダイレクトトラクション式)
  ・カム式(スバル:シュアトラック式)
  などがある。