◆4WDシステム解説
【パッシブトルクスプリット式】

[ビスカスカップリング式4WD]
[Vフレックスフルタイム4WD(トヨタ)]
 前輪と後輪の間にビスカスカップリング(VC)を付けて前輪と後輪の回転差でトルクの伝達を行う。
 通常は、オイルとプレート間で発生する剪断応力によってトルクの伝達を行っている。
 スタックなどで片方が回転せず一方が激しく回転した場合は、
 ハンプ現象と呼ばれるオイルの膨張で入力軸側のプレートと出力軸側のプレートが密着し直結4WD状態になる。
 過剰なトルクを抑制する事でプレート磨耗や燃費悪化を改善したハンプレスが主流である。

[ロータリーブレードカップリング]
[フレックスフルタイム4WD(トヨタ)]
 前輪と後輪の間に、ロータリーブレードカップリング(RBC)を付けて前輪と後輪の回転差でトルクの伝達を行う。
 カップリング内は、多板クラッチがあるトルク伝達部とファン状のブレードがある圧力発生部に分かれている。
 回転差が発生すると圧力発生部のブレードが回転して圧力が発生し、これが多板クラッチを押しつけてトルクの伝達を行う。
 ブレードの形状を非対称にしたものは、入力側と出力側のどちらかの回転速度が速くなった時に
 トルクの伝達量を変える事ができるので、ABSとの干渉をある程度防ぐ事ができる。
 この機構は自動で直結4WD状態になる働きはない。
 また、カップリング内の圧力は低いので、ケースの強度はそれほど必要ないこの事から小型軽量化が可能とされ、
 このシステムは軽乗用車やコンパクトカーに多く採用されている。