私などはキズ一つない車両だと、気を使うことが多いので、多少やれていたほうがいいとすら思う。
部品もあまりに人がうらやむような高価なものでは、盗まれるおそれがある。
使って具合がよく、そこそこ嫌味がなくて愛着がわくものなら満足だ。

最高の、これ以上上がない最高級のものを持とうという心境がわからない。

自転車はあくまでも『道具』なので、扱いも道具以上にはやらない。
ただし、無造作に使っているように見せて、カギとライターを同じポケットに入れるとか、
革の小銭入れとカギを一緒のポケットに入れるようなことはしない。

『無意味なキズはつけたくない』。

それでもつくキズはしかたがないが、『転倒によるキズはぶざまだと思う』。

前住んでいた家で、駐輪場を見ていると、10代〜20代の若いのが、
自分の自転車を駐輪場にガーーーーンとちからいっぱい適当にぶち込んで、自分の家に入って行く。
それによって、他の人の自転車にキズが付くというようなことは思考できないらしい。

町内会の用事で、その家へ行く機会があったのだが、まあ、玄関に脱ぎ捨てられている靴が散乱していて、足の踏み場もなかった。
『ああ、こういう貧乏玄関で、しつけの悪い奴が、駐輪場でひとの自転車まで粗末に扱うのだな』
と、玄関を見て納得した。