昭和40年代なかばに冠婚葬祭の語が礼儀作法と同義に用いられるようになったのは、同名のベストセラーの存在とあわせて、
礼儀作法が特殊なときの特殊な営みだと広く誤認されていたことによるものであり、堅苦しい、無意味、わけのわからない、といった負の印象は
礼儀のみならず作法までが不易であるという思い込みによるものである。
これらの負の感情の払拭(ふっしょく)には、家庭教育、学校教育、企業などにおける礼儀作法、マナー、エチケットの指導者が、
「いざというとき恥をかかないためのもの」とする誤認を正し、その本質である温かい真心の表出への留意が求められる。