日本陸上連盟の強化委員会は5日、都内で東京五輪のマラソン、競歩会場が札幌に移転したことを受けて会見した。
小池百合子都知事などが反発したが、1日まで行われたIOC、都、国、組織委による調整委員会で都も受け入れ、正式に決まった。

ただ、日本陸連強化委が集約していた選手、監督などの“現場”の意見が、事務局との“誤解”によって調整委に届けられていなかったことが判明した。

瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは、「選手の意見は届けなかったのか?」という報道陣の問いに「意見集約はして、陸連の事務局には提出した」と説明。
河野匡ディレクターによると、事務局の要望で強化としての意見を集約。調整委員会までに提出した。「現場の声をメールで集めた。
どう使われたかは分からない。(事務局から)レスポンスがなかった。当然、調整委に提出されるものと思っていた」と、話した。

意見は日本陸連の横川会長に提出したとしたが、それでは日本陸連内に止まっていたことになる。
調整委に日本陸連からの出席者はいなかったが、JOCの山下会長らが出席しており、なんらかの形で働きかけができた手段はあったはずだ。


札幌開催に陸連強い怒り「死ぬまで心から消えない」

20年東京オリンピック(五輪)でマラソン、競歩の札幌で開催されることに関して、
日本陸連は5日、都内で会見を開いた。
麻場一徳強化委員長、瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー、
河野匡長距離・マラソンディレクター、山下佐知子女子マラソン五輪強化コーチ、
今村文男競歩五輪強化コーチが出席。ロード種目のトップがずらりとそろった。

河野ディレクターは「理解不能な決定。決定のプロセスがよくわからない、理由が明確でない。
この2点を、我々は現場にどう説明していいのか、わかりません。
なぜマラソンと競歩の2種目だけ移転しないといけないのか。
我々は(運営側に)守られるべき立場で競技をしているわけじゃない。
決められたルールの中で超人的な力を発揮してきたのが過去のオリンピック。
(この決定は)死ぬまで私の心から消えることはない」と強い怒りをにじませた。